理髪料金と入浴料金の推移

いまも昔もこればかりは改良できないのが男どもの理髪料だ。散髪と表現しないのも現代風。いまや床屋じゃなく美容院に行って整える時代である。どちらにせよ整髪に関しては高料金となってもすたれることはない。が、町の浴場は悲惨な歴史の流れに押し流されてきた。

かつて、この大都市東京ですら住宅に内風呂所有は珍しい時代があった。風呂は銭湯に行くものだった。昭和40年代~50年代にかけて東京の銭湯は50%が閉めて転業した。生き残りをかけた値上げ申請は毎年のように続けられた。だが、入浴者の絶対数が減少し、燃料と水道料金の高騰に経営は四苦八苦。サウナ設備に洗濯場、大改造してクアハウス風にと工夫を重ねかろうじて生き残っている。だが、いまや入浴料430円(東京)×30日は12900円也となり、内風呂よりはるかにぜいたくなのである。

また、再び広々とした銭湯のよさが見直され、あちこちに同好会などが生まれてもいる。たまに早い時間に行ってみると、銭湯のよさを実感する。月一度の散髪代がいささか高く感じるのに一回350円の銭湯に抵抗感がないのは、内風呂があるからにほかならない。銭湯のみの生活者には負担は大だった。

理髪料 入浴料 理容所数 美容所数
昭和20年(1945) (円) (大人/円) (店) (店)
昭和21年(1946)
昭和22年(1947)
昭和23年(1948)
昭和24年(1949)
昭和25年(1950) 10.00
昭和26年(1951) 95 10.50
昭和27年(1952) 12.00
昭和28年(1953) 14.80
昭和29年(1954) 15.00
昭和30年(1955) 154 15.00
昭和31年(1956) 15.00
昭和32年(1957) 15.20
昭和33年(1958) 16.00
昭和34年(1959) 163 16.00 101,340 62,132
昭和35年(1960) 16.50 103,902 65,241
昭和36年(1961) 17.00 106,877 68,649
昭和37年(1962) 19.00 109,494 72,676
昭和38年(1963) 20.30 112,770 77,649
昭和39年(1964) 23.00 114,905 82,325
昭和40年(1965) 352 25.90 120,420 89,616
昭和41年(1966) 384 28 125,230 97,058
昭和42年(1967) 416 28 129,492 103,429
昭和43年(1968) 451 32 132,307 108,724
理髪料 入浴料 理容所数 美容所数
昭和44年(1969) 491 34 134,306 112,638
昭和45年(1970) 555 37 136,116 116,821
昭和46年(1971) 644 39 137,062 118,642
昭和47年(1972) 746 45 139,202 122,687
昭和48年(1973) 888 52 139,144 125,307
昭和49年(1974) 1,170 68 139,551 128,063
昭和50年(1975) 1,430 92 140,541 131,444
昭和51年(1976) 1,540 113 141,082 136,205
昭和52年(1977) 1,820 133 141,841 141,460
昭和53年(1978) 1,960 150 142,888 146,746
昭和54年(1979) 2,060 165 143,413 151,712
昭和55年(1980) 2,227 189 144,157 156,635
昭和56年(1981) 2,351 212 144,407 160,473
昭和57年(1982) 2,423 227 144,364 164,123
昭和58年(1983) 2,482 237 144,413 157,658
昭和59年(1984) 2,551 246 144,817 171,905
昭和60年(1985) 2,803 257 144,939 175,433
昭和61年(1986) 2,666 260 144,994 178,632
昭和62年(1987) 2,708 267 144,783 181,233
昭和63年(1988) 2,766 276 144,606 183,785
平成5年(1993) 3,334 340 142,619 188,582
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