GNPと国民所得の推移

GNP(国民総生産)と国民所得の違いを簡単に説明すると、GNPというのは、一年間に作り出された財とサービス価額から、それを生み出すのに必要な原材料を引いたもの。GNPから資本設備の減価償却分を引き、さらに間接税額を引き、それに国からの補助額を加えると国民所得が出る。もっとわかりやすくいうと、国民所得は個人ないし企業の所得総合計であり、毎年新たに作られた財ということになる。したがって、国単位の国力、経済カのパワーを計る目安となるのが、GNP及び国民所得の「伸び率」であり、戦後、日本は世界の中で図抜けた伸び率を維持しつづけ、ついには世界No.2の経済大国に成長した。

バブル崩壊後の5年間、成長率は0%と天井を打ち、東アジア諸国が10%以上を続ける姿と対称的であった。とはいえ、一人当たりGNPは3万ドルで2位のアメリカ(2.5万ドル)を押さえて1位を保ち、全世界での比率は16%弱とこれもアメリカに次いで2位。いかに経済力が強いかの指標だが、これまた日本人の一人としてやりきれないのは、その経済大国が生活面で少しも実感が湧かない点にある。

GNP 国民所得 一人当たり雇用者所得前年比
昭和20年(1945)
昭和21年(1946) 4,740億円 3,609億円
昭和22年(1947) 13,090 9,680
昭和23年(1948) 26,660 19,616
昭和24年(1949) 33,750 27,373
昭和25年(1950) 39,470 33,815
昭和26年(1951) 44,350 45,252
昭和27年(1952) 52,160 5,216
昭和28年(1953) 60,020 6,002
昭和29年(1954) 65,920 6,592
昭和30年(1955) 86,280 69,733
昭和31年(1956) 96,710 78,962 7.2%
昭和32年(1957) 110,770 88,681 5.7
昭和33年(1958) 118,500 93,829 5.4
昭和34年(1959) 138,930 110,423 8.6
昭和35年(1960) 166,620 134,967 10.3
昭和36年(1961) 201,400 160,819 14.3
昭和37年(1962) 222,830 178,933 13.5
昭和38年(1963) 261,630 210,993 13.0
昭和39年(1964) 303,020 240,514 13.7
昭和40年(1965) 336,730 268,270 10.5
昭和41年(1966) 396,000 316,448 11.1
昭和42年(1967) 463,330 375,477 13.1
昭和43年(1968) 547,930 437,209 13.3
GNP 国民所得 一人当たり雇用者所得前年比
昭和44年(1969) 648,910 521,178 16.4
昭和45年(1970) 751,520 610,297 17.0
昭和46年(1971) 828,060 659,105 13.7
昭和47年(1972) 965,390 779,369 15.0
昭和48年(1973) 1,116,790 958,396 21.5
昭和49年(1974) 1,381,560 1,124,716 28.0
昭和50年(1975) 1,522,090 1,239,907 12.7
昭和51年(1976) 1,711,530 1,403,972 10.8
昭和52年(1977) 1,900,350 1,557,032 9.9
昭和53年(1978) 2,087,810 1,717,785 6.3
昭和54年(1979) 2,254,020 1,822,066 5.9
昭和55年(1980) 2,453,600 1,995,902 6.0
昭和56年(1981) 2,603,340 2,097,489 6.5
昭和57年(1982) 2,734,620 2,193,918 3.9
昭和58年(1983) 2,859,970 2,308,057 2.4
昭和59年(1984) 3,057,250 2,436,089 4.1
昭和60年(1985) 3,253,710 2,595,898 3.9
昭和61年(1986) 3,396,850 2,693,947 2.8
昭和62年(1987) 3,562,640 2,817,375 2.6
昭和63年(1988) 3,792,300 2,995,894 3.2
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