バナナの値段の推移

台湾のバナナが入ってきたのは、台湾が日本の統治下となっていた明治35年(1902)頃で7カゴのバナナを移入したのがバナナ輸入の始まりと言われている。南国風のイメージが珍しがられ、独特の食感もあって、値段が高くても人気を呼んだ。輸入量(移入)は、明治から大正時代まで年ごと倍々ゲームに近い勢いで増えた。こずかいでおいそれとは買えない。親に連れられた祭りの出店"バナナの叩き売り"で買ってもらうか、学校の遠足に1本か2本持参するのが、当時のこどもたちの楽しみであった。

バナナは病気見舞いによく使われた。終戦からまもない昭和23年(1948)、台湾から戦後初輸入のバナナ約26tが福岡の門司港に入った。そのヤミ値は1本が40円~50円もしたという。外貨割当制の下で、バナナの輸入が正式に再開されたのは昭和24年だが、人もうけできるというので輸入業者が市場に殺到した。

昭和38年(1961)にバナナは輸入自由化となる。輸入自由化になると、小売価格は昭和40年の1kg当たり264円をピークにずるずると下がり続けた。近年、バナナは栄養価の高い健康食品として再認識され、バナナダイエットブームもあり人気は衰えない。輸入の90%以上はフィリピンからである。

量 目 値 段(小売価格)
大正15年(1926) 1kg 36銭3厘
昭和15年(1940) 49銭3厘
昭和39年(1964) 228円
昭和40年(1965)   264円
昭和41年(1966) 259円
昭和42年(1967) 239円
昭和43年(1968) 221円
昭和44年(1969) 203円
昭和45年(1970)   193円
昭和46年(1971) 165円
昭和47年(1972) 139円
昭和48年(1973) 139円
昭和49年(1974) 177円
昭和50年(1975)   179円
昭和51年(1976) 194円
昭和52年(1977) 197円
昭和53年(1978) 182円
昭和54年(1979) 193円
昭和55年(1980)   220円
昭和56年(1981) 232円
昭和57年(1982)   228円
昭和58年(1983)   278円
昭和59年(1984)   258円
昭和60年(1985)   286円
昭和61年(1986)   245円
昭和62年(1987)   223円
昭和63年(1988)   232円
平成10年(1998)   259円
平成18年(2006)   218円
▲ページトップへ