プロ野球の観戦料の推移
野球がアメリカから入ってきたのは明治初期。日本におけるプロ野球が本格的に始まったのは昭和11年(1936)のことである。この年に「日本職業野球連盟」が結成された。当初は読売巨人、大阪タイガース、名古屋、東京セネタース、阪急、大東京、名古屋金鯱の7チームで、1リーグ制であった。当初はプロ野球の人気はいまひとつで、観客もさほど多くなかった。昭和11年開幕時の入場料金は、春が50銭、夏が1円であった。その頃、米10kが約2円50銭、東京・浅草の映画館が20銭、喫茶店のコーヒーが15銭だったことを考えると、価格的には比較的庶民でも楽しみやすかったと言える。
戦況が厳しくなった昭和19年(1941)秋には選手不足のためペナントレースはいったん打ち切られる。再開されるのは戦後昭和21年のことである。この頃の後楽園球場の入場料金は、戦後のインフレによって、昭和21年の3円から昭和23年秋には100円と、30倍以上に値上がりしている。現在のような2リーグ制となった昭和25年(1950)当時の後楽園球場の入場料は80円。高度成長の中で、昭和25年以降は価格が再び上昇していき、巨人がV9を達成した昭和48年(1973)以降から観客増加傾向とともに、プロ野球観戦料も、年々上昇していった。
※東京地区の平均額
料 金 | ||
大人 一般内野席 | 大人 一般外野席 | |
昭和11年(1936) | 一律 春50銭・夏1円 | |
昭和21年(1946) | 一律 3円 | |
昭和23年(1948) | 一律 100円 | |
昭和49年(1974) | 427円 | 262円 |
昭和50年(1975) | 515円 | 314円 |
昭和51年(1976) | 599円 | 357円 |
昭和52年(1977) | 686円 | 415円 |
昭和53年(1978) | 800円 | 490円 |
昭和54年(1979) | 850円 | 523円 |
昭和55年(1980) | 872円 | 556円 |
昭和56年(1981) | 937円 | 592円 |
昭和57年(1982) | 996円 | 651円 |
昭和58年(1983) | 1,058円 | 697円 |
昭和59年(1984) | 1,121円 | 740円 |
昭和60年(1985) | 1,175円 | 803円 |
昭和61年(1986) | 1,253円 | 842円 |
昭和62年(1987) | 1,318円 | 898円 |
昭和63年(1988) | 1,509円 | 923円 |
平成5年(1993) | 1,781円 | 1,203円 |
平成10年(1998) | 2,075円 | 1,377円 |
平成18年(2006) | 推定4,157円 | 1,775円 |