コンドームの価格推移
明治18年(1886)、横浜の商人が米国からゴム製を輸入した。販売価格は1ダースで3円だった。当時としては超高価である。24年後の明治42年、ゴム製品を作っていた井上芳三郎が国産化に成功し、商品名を「美人ハート」とした。「敷島サック」や、また軍用の「突撃一番」「鉄兜」などもありました。だが、普通ゴムを用材とする製品は成分の蛋白質が腐敗しやすいため、商売にならなかった。
昭和9年(1934)、腐敗しにくいラテックス(液体ゴム)を用材として、岡本工業ゴム(現・オカモト)とアサヒ・ラテックス化学研究所(現・相模ゴム工業)が製造・販売を開始して、量産化でコスト・ダウンが進む。昭和27年、日本工業規格として「ラテックス・コンドームに関する法律」が制定され、コンドームが法律用語となった。
戦前、コンドームは専ら性病予防で、軍隊向けが多かった。戦後は避妊用が主流となる。現在、国内コンドームメーカーは、技術的評価は高く、厚生省「薬事工業動態統計年報」によりますと年間平均10億万個以上のコンドームを生産しています。その40%は輸出向けだそうです。
価 格 | 備 考 | ||
最低 | 最高 | ||
昭和9年(1934) | 1円 | 製品は1種類 | |
昭和12年(1937) | 30銭 | 昭和14年から23年まで公定価格制 | |
昭和22年(1947) | 50円 | ||
昭和27年(1952) | 54円 | 58円 | 日本工業規格(JIS)で規格制定 |
昭和29年(1954) | 54円 | 108円 | カラー・コンドーム登場、2色 |
昭和32年(1957) | 100円 | 200円 | |
昭和35年(1960) | 100円 | 300円 | ゼリー付き登場 |
昭和36年(1961) | 100円 | 300円 | 厚生省、医硬器具として規格制定 |
昭和41年(1966) | 150円 | 300円 | 中国へプラント輸出 製造技術指導 |
昭和43年(1968) | 150円 | 500円 | 前年、インドにプラント輸出 |
昭和44年(1969) | 200円 | 500円 | 厚さ0.03mm発売、外国製品0.1mm |
昭和46年(1971) | 300円 | 1000円 | 厚さ0.02mm発売 |
昭和47年(1972) | 300円 | 1500円 | 中間品、500円、1000円 |
昭和50年(1975) | 300円 | 1500円 | |
昭和52年(1977) | 1000円 | 2000円 | |
昭和54年(1979) | 1000円 | 3000円 | 80年代に入ると香り付き登場 |
昭和60年(1985) | 500円 | 2000円 | 中間800円、1200円、1500円 |
平成9年(1997) | 相模ゴム工業、ポリウレタン・コンドーム発売、2000円 | ||
平成14年(2002) | 1000円 | 5000円 | オカモト、カラー7色に増える |