日経平均株価の推移
戦後日本の株式市場を動かしてきた大きな力は株式所有の法人化であった。財閥解体のあと株の買占めが横行したところから、安定株主工作が行われ、法人間での株式相互持合いが進められた。とりわけこれは1965年の"証券恐慌"のあと大規模に行われたが、これは資本取引の自由化によって外国資本による日本の会社の乗取りが起こるのを防止するというためであった。
そして"証券恐慌"対策のために作られた共同証券と保有組合がその後の株価値上がりによって株式を放出した際、これを一斉に安定株主にはめ込み、株式の相互持合いが大規模に進行したのである。こうして株式所有の法人化が進み、市場からも浮動株が吸い上げられたために需給関係から株価は高騰していった。いわゆる"法人買い"相揚が展開したのである。そこへ突然起こったのが時価発行増資である。明治時代から日本の会社の増資は株主割当て、額面発行で行われてきたが、1968年日本楽器(現ヤマハ)が時価発行増資を発表したのを皮切りに、以後、公幕時価発行が増資の主流になっていった。時価発行になれば、株価が高ければ高いほど発行会社に入るカネは多くなるのだから、当然のことながら発行会社は自社の株価を高くしようとする。こうしてそれまで乗取り防正の為に行われていた安定株主工作が、今度は時価発行増資に備えて株価を高くするために行われるようになる。その結果、株式所有の法人化がさらに進み、株価は高騰していった。
そして1989年12月には日経平均株価3万8915円の最高値をつけることになった。これがいわゆる「バブル経済」の正体だったのである。一方で安定株主工作をして、市場から浮動株を吸い上げ、そして株価が高くなったところで時価発行増資をする、ということは一方で株を吸い上げながら、他方で株を供給するということだから、それが尻抜けになることは当然である。その当然の事態が起こったのが1990年1月4日からである。その日から株価が暴落し、人びとは「バブルがはじけた」と言った。
平 均 | 最 高 値 | 最 安 値 | |
昭和24年(1949) | 149円96銭 | 176円89践 | 98円50銭 |
昭和25年(1950) | 101円73 | 114円99 | 85円25 |
昭和26年(1951) | 136円10 | 170円32 | 102円10 |
昭和27年(1952) | 245円67 | 370円55 | 167円80 |
昭和28年(1953) | 390円90 | 474円43 | 295円18 |
昭和29年(1954) | 340円79 | 377円27 | 314円08 |
昭和30年(1955) | 374円 | 425円69 | 345円89 |
昭和31年(1956) | 485円33 | 566円30 | 420円14 |
昭和32年(1957) | 535円57 | 595円46 | 471円53 |
昭和33年(1958) | 571円97 | 666円54 | 475円20 |
昭和34年(1959) | 82.1円52 | 976円93 | 664円69 |
昭和35年(1960) | 1116円62 | 1356円71 | 869円34 |
昭和36年(1961) | 1548円94 | 1829円74 | 1258円00 |
昭和37年(1962) | 1419円44 | 1589円76 | 1216円04 |
昭和38年(1963) | 1440円61 | 1634円37 | 1200円64 |
昭和39年(1964) | 1262円88 | 1369円00 | 1202円69 |
昭和40年(1965) | 1203円16 | 1417円83 | 1020円49 |
昭和41年(1966) | 1479円16 | 1588円73 | 1364円34 |
昭和42年(1967) | 1412円1 | 1506円27 | 1250円14 |
昭和43年(1968) | 1544円81 | 1851円49 | 1266円27 |
昭和44年(1969) | 1956円36 | 2358円96 | 1733円64 |
平 均 | 最 高 値 | 最 安 値 | |
昭和45年(1970) | 2193円21銭 | 2534円45銭 | 1929円64銭 |
昭和46年(1971) | 2385円72 | 2740円98 | 1981円74 |
昭和47年(1972) | 3755円13 | 5207円94 | 2712円31 |
昭和48年(1973) | 4759円25 | 5359円74 | 3958円57 |
昭和49年(1974) | 4276円5 | 4787円54 | 3355円13 |
昭和50年(1975) | 4243円5 | 4564円52 | 3627円04 |
昭和51年(1976) | 4651円42 | 4990円85 | 4403円06 |
昭和52年(1977) | 5029円69 | 5287円65 | 4597円26 |
昭和53年(1978) | 5537円74 | 6097円26 | 4867円91 |
昭和54年(1979) | 6272円33 | 6590円69 | 5925円87 |
昭和55年(1980) | 6870円16 | 7188円28 | 6475円93 |
昭和56年(1981) | 7510円73 | 8019円14 | 6956円5 |
昭和57年(1982) | 7399円36 | 8026円99 | 6849円78 |
昭和58年(1983) | 8808円71 | 9893円82 | 7803円18 |
昭和59年(1984) | 10560円61 | 11577円44 | 9703円35 |
昭和60年(1985) | 12565円62 | 13128円94 | 11545円16 |
昭和61年(1986) | 16401円83 | 18936円24 | 12881円50 |
昭和62年(1987) | 23248円06 | 26646円43 | 18544円05 |
昭和63年(1988) | 27038円57 | 30159円00 | 21217円04 |
平成元年(1989) | ☆38915円82 | ☆38915円87 | 30183円79 |
平成2年(1990) | 29437円18 | 38712円88 | 20221円86 |
平成3年(1991) | 24295円57 | 27146円91 | 21456円76 |
平成4年(1992) | 18018円64 | 23801円18 | 14309円41 |
平成5年(1993) | 19100円 | 21148円11 | 16078円1 |
平成10年(1998) | 15355円96 | 17264円34 | 12879円97 |
平成17年(2005) | 11166円37 | 12163円89 | 10365円40 |