推移

郵便料金の推移

鎌倉時代から江戸時代まで、信書や金銭や小荷物を委託されて運ぶ「飛脚間屋」という仕組みがあった。搬送に携わる人たちは並みはずれた健脚の主で、飛ぶ如く駈けることから「飛脚」と呼んだ。江戸中期になると飛脚問屋は、幕府公用の継飛脚、諸大名が使う大名飛脚、大店の商家を得意先とする私営町飛脚の3つに大別される。江戸後期、サービス範囲が小さい町飛脚もできた。郵便事業の原型である。明治新政府が成立して間もない、明治3年(1870)6月、前島密によって建議され明治4年3月1日(1871年4月20日)スタート。当初この事業部署は「駅逓司」といい、本拠は現在の日本橋郵便局の位置で、搬送に郵便馬車が活躍した。

業務の多角化、取扱量の増大、国際化の進展によって、郵便事業の重要性は年ごとに高まる。明治18年12月、電信電話事業も包含する「逓信省」が創設された。郵便局のシンボルマーク「〒」は、明治20年に逓信省全般の記章として制定された。〒は逓信の頭文字のTとテをロゴ化したものである。明治6年から発行された通常葉書は1銭。平成16年は50円であるから5千倍ということになる。

郵便物 備 考
明治4年(1871) 5匁迄 100文
(1匁=3.75g)
東京・京都・大阪間で郵便開始。
宛地別料金制。(1匁=3.75g)
東京~大阪は1貫500文=15銭(100文=1銭、1貫=10銭)
東京~静岡は500文。東京~名古屋は1貫100文
明治5年(1872) 2匁迄 100文 重量は5匁ごとに割り増し制。距離別料金制改正。
基本料金は25里以内。50里迄200文、100里迄は300文
200里迄400文、200里以上500文。
重量は一時4匁迄となるが、翌年2匁に戻る(1里=3.92k)
明治6年(1873) 2匁迄 2銭 全国均一料金制となる。但し同市内は1銭。
初めて葉書を発行、定価1銭。同市内用は5厘。
以降26年間、料金は据え置き
葉 書 封 書 備 考
明治16年(1883) 1銭 2銭 同市内の割引料金制をやめる
明治18年(1885) 往復葉書を新発売、定価は通常葉書の2倍
明治23年(1890) 郵便貯金条令公布
明治32年(1899) 1銭5厘 3銭 26年ぶりの改定。重量基本4匁迄に改定
明治33年(1900) 「封絨葉書」を発売。通常葉書の2倍
郵便法、鉄道船舶郵便法、電信法公布
明治35年(1902) 万国小包郵便物交換条約加盟
明治39年(1906) 逓信省、年賀郵便を創設
明治41年(1908) 円筒型の赤い郵便ポスト誕生
大正5年(1916) 簡易生命保険法公布
大正12年(1923) 郵便貯金残高,10億円を突破
昭和4年(1929) 東京逓信局管内で扱った年賀状総数9220万通
前年比14%増
昭和6年(1931) 量量の匁をgに改定。封書の基本15g迄
昭和11年(1936) 小額国債(愛国債券)を郵便局から発売
昭和12年(1937) 2銭 4銭 37年ぶりの値上げ。重量基本は20g迄
献金つき愛国切手・葉書を発売。
昭和14年(1939) 鉄製の郵便ポストを回収。陶器製や木製に
昭和17年(1942) 5銭 国鉄・電話・電報も一斉値上げ。葉書据置
逓信省,簡易保険の国民総加入運動開始
昭和18年(1943) 逓信省廃止。運輸通信省設置で外局逓信院に
昭和19年(1944) 3銭 7銭
昭和20年(1945) 5銭 10銭 値上げは4月
昭和21年(1946) 15銭 30銭 3倍値上げを7月に実施
昭和22年(1947) 50銭 1円20銭 大幅値上げ。軍国調の切手・葉書の使用禁止
昭和23年(1948) 2円 5円 4倍値上げ。年賀用切手復活、定価2円
昭和24年(1949) 逓信省廃止、郵政省と電気通信省に分ける。
お年玉つき年賀葉書の初発売。定価3円(1円寄付)と
2円の2種類。特等はミシン1台
昭和26年(1951) 5円 10円 料金受取人払い制度と現金書留制度を新設
昭和41年(1966) 7円 15円
昭和47年(1972) 10円 20円
昭和51年(1976) 20円 50円
昭和56年(1981) 30円 60円
平成元年(1989) 41円 62円 消費税3%分のカサ上げによる。
平成6年(1994) 50円 80円  
平成14年(2002) 郵政事業の公社化が決まる。
平成26年(2014) 52円 82円 消費税増税分のカサ上げによる。
平成29年(2017) 62円 82円 葉書10円値上げ。(6月)
令和元年(2019) 63円 84円 消費税増税分のカサ上げによる。(10月)
令和6年(2024) 85円 110円 (10月)
pagetop