大豆・小豆の価格の推移
大豆といえば豆腐、納豆、味噌、しょうゆなど、日本の伝統食や調味料の原材料としてなじみが深い。だが、現在日本で食べられている大豆のじつに95パーセントは輸入品で、国産はわずか5パーセントにしかすぎないのが現実。世界一の大豆の生産国はアメリカで、2位のブラジルに常に3000万トン前後の差をつけてトップを独走している。日本では、そのアメリカから大豆の8割近くを輸入しているのである。
国際市場で取引される物品は、需給バランスが安定している時はいいが、品薄感が広がるなどしてひとたび投機の対象となると、一気に価格が上昇する傾向がある。
世界の大豆需要は年々伸びており、特に成長著しい中国での大豆消費量は増加の一途をたどっている。中国はかつて大豆や菜種などを生産して世界に向けて輸出する側だったが、いまや自国の植物油脂を消費したうえで、さらに海外からも大量に調達しなければならなくなっている。経済成長とともに世界最大の大豆輸入国に反転したのだ。こうした中国の旺盛な需要に対して、アメリカの大豆生産量は確実に減少傾向にある。また、アメリカは燃料用の大豆として遺伝子組み換え大豆の割合を高めており、非遺伝子組み換え大豆にこだわる日本は食用大豆の確保がますます難しくなる。日本人は米を食べなくなったといわれて久しいが、それでも朝は「納豆と味噌汁」がいいという人も少なくない。だが、大豆製品が庶民レベルの価格をキープできるかどうかは、微妙な状況にある。
大豆(量目) | 平均価格 | 小豆(量目) | 平均価格 | |
明治33年(1900) | 野州1石 | 7円72銭 | 北海道1石 | 8円66銭3厘 |
大正元年(1912) | 中国産1石 | 10円48銭9厘 | 室蘭1石 | 14円48銭9厘 |
昭和10年(1935) | 小売 亀の子 大玉2等 1升(1.2kg) |
35銭 | 小売 北海道 2等 1升 |
7銭5厘 |
昭和31年(1956) | 1合 内地産 黄白豆 乾燥 120g | 19円50銭 | 小売(100g) | 24円80銭 |
昭和32年(1957) | 15円50銭 | 19円8銭 | ||
昭和33年(1958) | 18円20銭 | 19円50銭 | ||
昭和34年(1959) | 100g | 14円66銭 | 15円83銭 | |
昭和35年(1960) | 14円40銭 | 15円80銭 | ||
昭和36年(1961) | 15円 | 16円50銭 | ||
昭和37年(1962) | 12円10銭 | 17円30銭 | ||
昭和38年(1963) | 17円30銭 | 19円60銭 | ||
昭和39年(1964) | 20円50銭 | 30円80銭 | ||
昭和40年(1965) | 24円90銭 | 39円10銭 | ||
昭和41年(1966) | 44円80銭 | |||
昭和42年(1967) | 41円60銭 | |||
昭和43年(1968) | 32円60銭 | |||
大豆(量目) | 平均価格 | 小豆(量目) | 平均価格 | |
昭和44年(1969) | 小売(100g) | 32円 | ||
昭和45年(1970) | 52円50銭 | |||
昭和46年(1971) | 55円80銭 | |||
昭和47年(1972) | 47円60銭 | |||
昭和48年(1973) | 国内産 黄白豆 100g |
45円 | 49円 | |
昭和49年(1974) | 51円 | 55円 | ||
昭和50年(1975) | 50円 | 60円 | ||
昭和51年(1976) | 51円 | 90円 | ||
昭和52年(1977) | 56円 | 100円 | ||
昭和53年(1978) | 59円 | 90円 | ||
昭和54年(1979) | 51円 | 86円 | ||
昭和55年(1980) | 51円 | 91円 | ||
昭和56年(1981) | 61円 | 118円 | ||
昭和57年(1982) | 60円 | 123円 | ||
昭和58年(1983) | 61円 | 116円 | ||
昭和59年(1984) | 64円 | 108円 | ||
昭和60年(1985) | 63円 | 107円 | ||
昭和61年(1986) | 59円 | 108円 | ||
昭和62年(1987) | 59円 | 103円 | ||
昭和63年(1988) | 61円 | 104円 | ||
平成5年(1993) | 115円 | 190円 | ||
平成10年(1998) | 119円 | 149円 |