推移

たばことコーヒー一杯の値段

ゴールデンバットとは表にあるピースが高級たばこであり、バットは最も安い種類で、かつ最も愛煙されたもの。いまやアメリカ商品とともにその種類さえ数えきれないが、昭和20年から30年代は、米軍駐留兵(GI)たちが軍のPX(売店)から持ち出してきたアメリカ製に闇市で群がったものだった。ラッキーストライクとキャメルが二大ブランド。ハイライトや新生を吸う仲間の前で、この〈洋モク〉を吸う優越感はなんともいえなかった時代があった。

現在、たばこはJT(日本たばこ産業)と民間企業となったが、かつては日本専売公社として政府が売っていたのだからおもしろい。なんと昭和60年までだ。戦中の統制品の一種であった。さて、この価格だが、これまた諸外国に比べると割高だ。円高時代だけに在日外国人にとっては、一箱が3ドルにもつき、約6倍の価格となる。上昇率としては抑え続けた結果、他の物価上昇率よりかなり低いにもかかわらずだ。これはコーヒー一杯と比べるとよくわかる。昭和20年代、ピース一箱より安かったコーヒー代が、たばこの3倍以上になってしまった。

ピース10本入り ゴールデンバット ハイライト マイルドセブン コーヒー1杯
昭和20年(1945) 0.35円 5円
昭和21年(1946) 7円 1
昭和22年(1947) 20 2.5
昭和23年(1948) 30 11 20
昭和24年(1949) 50 30
昭和25年(1950) 60
昭和26年(1951) 50
昭和27年(1952) 40
昭和28年(1953)
昭和29年(1954) 45 50
昭和30年(1955)
昭和31年(1956) 40
昭和32年(1957)
昭和33年(1958)
昭和34年(1959)
昭和35年(1960) 70円   60
昭和36年(1961)
昭和37年(1962) 62.1
昭和38年(1963) 65.6
昭和39年(1964) 68.7
昭和40年(1965) 71.5
昭和41年(1966) 76.5
昭和42年(1967) 77.5
昭和43年(1968) 50 80   83
ピース10本入り ゴールデンバット ハイライト マイルドセブン コーヒー1杯
昭和44年(1969) 88
昭和45年(1970) 95
昭和46年(1971) 106
昭和47年(1972) 115
昭和48年(1973) 133
昭和49年(1974) 167
昭和50年(1975) 120   194
昭和51年(1976) 75 40 210
昭和52年(1977) 150円 229
昭和53年(1978) 235
昭和54年(1979) 238
昭和55年(1980) 90 150 180 247
昭和56年(1981) 50 258
昭和57年(1982) 264
昭和58年(1983) 100 170 200 274
昭和59年(1984) 70 276
昭和60年(1985) 200   280
昭和61年(1986) 120 90 220 289
昭和62年(1987) 302
昭和63年(1988) 308
平成5年(1993) 120 220   397
平成9年(1997)   230 230 412
平成11年(1999) 130 250 250 423
平成15年(2003) 140 270 270 436(2002)
平成18年(2006) 150 140 290 300
平成22年(2010) 220 200 410 410
平成26年(2014) 230 210 420 430
ピース10本入り キャメル ハイライト メビウス コーヒー1杯
令和2年(2020) 280 450 490 540
令和3年(2021) 300 460 520 580
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