推移

映画観覧料の変遷

1800円の入場料は、世界的に見ても一番高い。日本に次いで入場料が高いのは、物価の高い北欧諸国ぐらい。アメリカでは、日本円に換算して600~700円程度、ロングラン上映になった作品は200~300円程度まで下がる。それでいて、アメリカ国内の映画興行収入は、日本の5倍にもなり、1兆円を超えて世界一。しかし、実は1800円を払って入場する人は、全体の2割程度という。現在、平均入場料金を見ると1200~1300円。というのも、日本の映画産業は、入場者数の減少にともない、入場料を上げてきた一方で、入場者数を増やそうと、さまざまな割引制度を導入してきた。各種の学生割引や前売り券のほか、毎月1日のサービスデイ、レディ一スデー、シニア割引、夫婦5割引、カップルデー、会員割引等々、実に豊富。これで、全国一律1800円の入場料金に対しても、公正取引委員会は独禁法遺反のカルテルとして認定しなかった。

※料金:大人1人
上映場所・作品・料金・トピックス
明治32年(1899) 東京歌舞伎座・初の国産映画「日本率先活動大写真」上映
大正15年(1926) 大阪松竹座、洋画「サロメ嬢」・京都松竹座、洋画「美わしの都」 各早朝興行で入場料80銭均一。関西の蕎もり・かけ10銭前後の時代
昭和16年(1941) 浅草帝国館・「家光と彦左」・8銭均一。二番館は60銭
(8月、映画製作は国家管理。製作中の娯楽物に中止命令)
昭和20年(1945) 8月15日終戦、映画興行は1週間停止
都内封切館・邦画「北の三人」主演:原節子
「通し矢物語」主演:長谷川一夫、田中絹代
「東海水瀞伝」主演:片岡千恵蔵 「伊豆の娘たち」主演:佐分利信
など都内封切館各1円
昭和25年(1950) 洋画「嵐が丘」「赤い靴」・有楽座・早朝、学割100円、指定席130円
洋画「無防備都市」・国際劇場・80円均一
洋画「摩天楼」・SY東劇・120円~150円
邦画「天皇の帽子」「若さま侍捕物帳」・都内封切館80円
全国平均 代表封切館
入場料 大人料金
昭和30年(1955) 63円 130円
昭和31年(1956) 52円 140円
昭和32年(1957) 52円 160円
昭和33年(1958) 64円 170円
昭和34年(1959) 65円 170円
昭和35年(1960) 72円 200円
昭和36年(1961) 85円 230円
昭和37年(1962) 152円 260円
昭和38年(1963) 151円 300円
昭和39年(1964) 178円 350円
昭和40年(1965) 203円 350円
昭和41年(1966) 210円 400円
昭和42年(1967) 236円 400円
昭和43年(1968) 252円 450円
昭和44年(1969) 295円 500円
昭和45年(1970) 324円 550円
昭和46年(1971) 366円 600円
昭和47年(1972) 411円 700円
全国平均 代表封切館
入場料 大人料金
昭和48年(1973) 500円 800円
昭和49年(1974) 631円 950円
昭和50年(1975) 751円 1000円
昭和51年(1976) 825円 1100円
昭和52年(1977) 923円 1300円
昭和53年(1978) 961円 1300円
昭和54年(1979) 958円 1300円
昭和55年(1980) 1009円 1400円
昭和56年(1981) 1093円 1500円
昭和57年(1982) 1093円 1500円
昭和58年(1983) 1092円 1500円
昭和59年(1984) 1114円 1500円
昭和60年(1985) 1118円 1500円
昭和61年(1986) 1116円 1500円
昭和62年(1987) 1120円 1500円
昭和63年(1988) 1118円 1500円
平成5年(1993) 1252円 1800円
平成12年(2000) 1252円 1800円
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