戦後の事故史

・1945

・樺太引き揚げ船・奉東丸、北海道鬼鹿沖で国籍不明の潜水艦に雷撃され沈没。死者667人。同日、小笠原丸、第2新興丸も同様の被害。2隻で死者1041人(8月22日)。

・旧海軍輸送船・浮島丸、舞鶴湾で触雷沈没。死者549人(8月24日)→ほかにも大型沈没事故相次ぐ。

八高線玉川鉄橋で列車が正面衝突。死者105人(8月24日)。

・中央線笹子駅でブレーキ故障により列車が暴走衝突。死者60人(9月6日)。

1946

・北朝鮮引き揚げ船・恵比須丸、鎮南浦沖で沈没。死者497人(10月27日)。

1947

八高線高麗川駅付近で列車が脱線転落。死者184人(2月25日)。

飯田市で大火。強風により4000戸被災(4月20日)。

1948

近鉄奈良線花園駅で、停車中の列車にブレーキ故障の列車が追突。死者49人(3月31日)。

1949

法隆寺金堂で、壁画を模写中の職人の電気座布団から発火。国宝・金堂壁画12面が焼失(1月26日)。

能代市で大火。死者3人、2000戸被災(2月20日)。

1950

熱海で大火。1000戸被災(4月13日)。

・高知県美良布町で国鉄バスが川に転落。死者33人(11月7日)。

京都駅で火災。大正3年御大典記念の建築が全焼(11月18日)。

1951

・京浜東北線桜木町駅手前で、切れた架線がパンタグラフに絡まり国電炎上。木造の旧型車両の上、窓もドアもともに開かず、5両編成のうち出火元の前部2両が全半焼。死者106人(4月24日)。

・北海道厚岸郡大原劇場で火災。死者39人(5月19日)。

・愛媛県具吹村で国鉄バス内から出火。死者32人(11月3日)。

1952

・日航マーチン202型もく星号・福岡行きが伊豆大島三原山に衝突。八幡製鉄社長三鬼隆や漫談家大辻司郎を含む、乗客・乗員37人全員が死亡。長崎の地方紙には「大辻司郎生還」の虚報が掲載される(4月9日)。

鳥取市で大火。強風により死者3人。6000戸被災(4月17日)。

1954

二重橋事件。皇居一般参賀の群集、将棋倒しで死者16人(1月2日)。

富士山で大雪崩。大学生15人死亡(11月28日)。

1955

・横浜市の老人ホーム「聖母の園」が全焼。入所者・職員99人が死亡(2月17日)。

・国鉄宇高連絡船の紫雲丸が高松沖で濃霧により貨車回送船と衝突して沈没。死者168人(5月11日)。

・津海岸で中学校の水泳講習中に高波。女生徒36人が死亡(7月28日)。

・森永乳業徳島工場で製造の粉乳に砒素が混入。西日本を中心に死者130人。被害者1万2000人。森永製品不買運動が起きる(8月24日)。→73年11月、元製造課長に禁錮3年。

新潟市で大火。フェーン現象下で死者1人。1000戸被災(10月1日)。

・北海道の雄別炭鉱茂尻鉱業所でガス爆発。死者60人(11月1日)。

1956

・新潟県の弥彦神社で、撒かれた餅に殺到した初詣客が将棋倒し。死者124人(1月1日)。

能代市で大火。強風により1000戸被災(3月20日)。

・琴曲演奏家で作曲家の宮城道雄、東海道線刈谷駅付近で急行から転落して死亡する(6月25日)。

魚津市で大火。フェーン現象下で死者5人。1500戸被災(9月10日)。

参宮線六軒駅で、脱線転覆した列車に上り列車が衝突。死者40人(10月15日)。

1957

・芸備商船の定期船・第5北川丸が座礁転覆。死者113人(4月12日)。

・日航機雲仙号、水田に不時着、全焼。作家三木鮎郎ら乗客・乗員全貞無事避難(9月30日)。

1958

・室戸一大阪間の定期船・南海丸が強風雨で沈没。死者167人(1月26日)。

全日空DC3型機、下田沖に墜落。乗客・乗員33人全員が死亡(8月12日)。

1959

・横浜市の東洋化工工場で爆発。死者3人,800戸全半壊(11月20日)。

1960

・北海道夕張炭鉱でガス爆発。死者42人(2月1日)。

・比叡山で観光バスが谷に転落。死者30人(7月24日)。

豊洲炭鉱、川底に穴が開いて水没。死者67人(9月20日)。

1961

・福岡県の上溝炭鉱で火災。死者71人(3月9日)。

日光東照宮薬師堂で火災。重文薬師堂の「鳴竜」が焼失(3月15日)。

1962

常磐線三河島駅で、信号誤認で貨物列車が脱線。さらに発煙筒による合図や、信号切り替えなどの事故処理が遅れ、脱線した列車に上下電車が衝突。死者160人(5月3日)。

・川崎港でタンカー・第1宗像丸がノルウェーのタンカーと衝突。付近を航行中の機帆船2隻も炎上死者41人(11月18日)。

1963

薬師岳で猛吹雪。愛知大生13人遭難(1月4日)。

・鳴門定期船・ときわ丸が神戸沖で貨物船に衝突沈没。死者47人(2月26日)。

・藤田航空機、八丈島空港を離陸後、乱気流により八丈富士に衝突。乗員・乗客19人全員が死亡(8月17日)。

・久米島定期船・みどり丸、神山島沖で強風・高波により転覆。死者112人(8月17日)。

三井三池炭鉱で送電線のスパークにより炭塵火災。死者458人、負傷者839人(11月9日)。→85年7月に福岡地裁で、9億1000万円の補償こより三井、遺族・CO中毒患者らと和解。

鶴見駅脱線
・東海道本線鶴見駅付近で脱線、転覆した貨物列車に上下の列車が衝突。死者161人(11月9日)。

1964

富士航空コンベア240型機、大分空港着陸失敗で墜落、炎上。乗員3人を含む死者20人(2月27日)。

昭電川崎工場の燃料タンクが爆発。死者18人(6月11日)。

宝組倉庫で硝化綿が爆発。死者19人(7月14日)。

1965

伊豆大島で大火。574戸被災で町の4分の1が焼失(1月11日)。

山野鉱炭鉱でガス爆発。死者237人(6月1日)。

マリアナで台風により漁船7隻が遭難。死者209人(10月5~7日)。

1966

三沢で大火。424戸被災。(1月11日)。

全日空B727型機
・札幌発の全日空B727型機、羽田空港着陸前に羽田沖に墜落。乗客・乗員133人全員が死亡(2月4日)。

カナダ太平洋航空DC8機、羽田空港で着陸に失敗、防潮堤に激突して炎上。乗員18人を含む死者64人(3月4日)。

BOACB707型機、富士山上空で乱気流により空中分解。乗客・乗員124人全員が死亡(3月5日)。→この1カ月で3件の大型航空機事故が相次いだ。

・水上温泉の菊富士ホテルで火災。宿泊客犯人死亡(3月11日)。

全日空YS11型機、松山空港で着陸に失敗、墜落。乗客・乗員50人全員が死亡。戦後初の国産機事故(11月13日)。→15日には捜索のヘリコプター同士が衝突し、死者4人。

1967

南海電鉄鉄橋付近の踏切で、トラックと衝突した電車が河原に転落。死者5人(4月11日)。

西穂高で下山中の松本深志高校生の列に落雷。11人死亡(8月1日)。

1968

・乗鞍行き観光バス15台のうち、2台が崖崩れで飛騨川lに転落、流される。バス事故では最大の死者104人(8月18日)。→73年3月、名古屋地裁、事故原因は人災と天災の競合と判断。

・PCB入り米ぬか油により、西日本でカネミ油症の被害者1万4000人(10月16日)。

・兵庫県有馬温泉のホテル・池之坊満月城で火災。従業員1人を含む死者30人(11月2日)。

1969

・磐悌熱海温泉の磐光ホテルで火災。ショーのたいまつからの引火で、ショー出演者、従業員4人を含む死者31人(2月5日)。

1970

・大阪府天六でガス爆発。死者79人。400戸被災(4月8日)。

1971

・東亜航空YS11ばんだい号、濃霧により北海道横津岳に衝突。乗客・乗員68人全員死亡(7月3日)。

全日空B727型機、岩手県雫石町上空で、自衛隊機と接触、墜落。乗客・乗員162人全員が死亡。自衛隊機乗員は無事脱出、翌日逮捕。民間機と軍用機の事故では最大規模(7月30日)。→8月1日、防衛庁長官が辞任。83年9月、自衛隊機の飛行訓練教官に禁錮3年の判決。

近鉄電車トンネル内で特急電車が正面衝突。死者25人(10月25日)。

川崎市で防災科学技術センターの実験中に土砂崩れ。死者4人(11月11日)。

1972

・大阪市南区の雑居ビル・千日デパートピルで火災。3階から出火して2~4階が全焼。煙に巻かれての窒息や避難しようとしての飛び降りなどでビル火災では最大の死者118人(5月13日)。→77年までに総額22億8000万円の遺族補償。87年10月に元ビル管理課長らに有罪判決。

日航DC8型機、ニューデリー空港着陸直前に墜落。インド救ライセンター発足の宮崎松記博士など乗客・乗員86人が死亡。日航国際線では初の事故(6月14日)。

北陸本線トンネル内で列車火災。死者30人(11月6日)。

・日航DC8型機、モスクワのシェレメチェボ空港離陸直後に失速、墜落。乗員9人を含む死者62人(11月29日)。

1973

ゼネラル石油徳山工場が爆発。死者4人(3月30日)。→このほか、コンビナートの爆発事故相次ぐ。

・熊本市の大洋デバートで火災。死者104人(11月29日)。

1974

新幹線で、火花による沿線の枯れ草炎上、架線損傷による停電などの事故が多発(2~8月)。

1975

スキー送迎バスが、青木湖に転落。死者24人(1月1日)。

1976

酒田市で大火。強風にあおられ1000戸被災。死者1人(10月29日)。

1977

日航DC8型機、クアラルンプール空港着陸直前に墜落、炎上乗員8人を含む死者34人(9月27日)。

1979

・東名高速日本坂トンネル内でトラック、乗用車が玉突き、炎上。道路のトンネル事故では最大の死者7人。トラックなど173台焼失(7月11日)。

1980

富士山九合日で落石。死者12人で戦後最大の夏山事故(8月14日)。

静岡駅前地下街ガス爆発
静岡駅前地下街で2度のガス爆発。死者15人(8月16日)。

・栃木県の川治温泉プリンスホテルで火災。宿泊の老人クラブ員ら45人が死亡。ホテル火災では最大規模(11月20日)。

1981

遠東航空B737型機、台北空港離陸後に空中爆発。作家向田邦子ら乗客・乗員110人全員が死亡(8月22日)。

北辰夕張炭鉱でガス突出、火災で坑道水没。死者93人(10月16日)。

1982

・東京都千代田区のホテルニュージャパンで、寝タバコによる火災。未明に9階から出火で9~10階全焼。報知器が作動しなかったうえ、防火対策の不備で、外国人22人を含む宿泊客33人死亡(2月8日)。→12月にはホテルの横井英樹社長と元支配人起訴。87年5月、横井社長に禁錮3年の判決。

逆噴射
日航DC8型晩、羽田空港着陸直前に機長がエンジンを逆噴射させ失速、墜落。死者24人。機長の心身症を知りながら、運輸省提出の書類を偽って乗務を続けさせていた日航側に非難集中(2月9日)。→9月17日、心身喪失で機長は不起訴。

・自衛隊機ブルーインパルス、浜松北基地での航空ショー中に墜落。乗員1人が死亡(11月14日)。

1983

・静岡のレクリエーション施設つま恋で、ガス爆発、炎上研修中の滞在客やアルバイト学生ら14人が死亡(11月22日)。

1984

・三井有明炭鉱の海底坑で火災。死者83人(1月18日)。

からし蓮根のボツリヌス菌食中毒で死者11人(6~7月)。

・東京都世田谷区のケーブル溝で通信ケーブル火災。電話9万回線が不通に(11月16日)。

1985

・長野でスキーバスがダムに転落。死者25人(1月28日)。

・北海道の三菱南大夕張炭鉱でガス爆発。死者62人(5月17日)。

日航ジャンボ機、金属疲労で尾翼が破壊、操縦不能となり御巣鷹山に衝突。女性4人を除く乗客、乗員520人が死亡。操縦不能の最後の30分に、乗客らが家族などにあてて書いた遺書が、判明も難しいほどの焼死体の中で発見された。単独機の航空機事故としては最大(8月12日)。

・有毒物質ジエチレングリコール入りのワインが出回る(8月30日)。

1986

熱川温泉の大東館で火災。旧棟と従業員寮全焼で従業員を含む24人が死亡(2月11日)。

1988

・海上自衛隊の潜水艦なだしお(2000t)が、大型釣り船第1富士丸(154t)に衝突、第1富士丸は沈没。乗員1人を含む死者30人(7月23日)。→94年3月、東京高裁は事故は「なだしおの不当な運航に大きな原因があった」と判決。

・JR中央線東中野駅で停車中の電車に後続車が追突。死者2人(12月5日)。

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