1945
・近衛文麿元首相が服毒自殺(12月16日)。→9月11日には東条英機元首相がピストル自殺未遂。
13日には杉山元元帥夫妻、元厚生相・小泉親彦中将ら自決。このほか敗戦やGHQによる逮捕を理由とした将校らの自殺相次ぐ。
1946
・歌舞伎役者・片岡仁左衛門一家殺害。同居の狂言作家見習いが食事内容の差別に関する怨恨で、お手伝いを含む一家5人を惨殺(3月15日)。
・殺人魔小平義雄事件。東京の芝増上寺の裏山で若い女性2人の遺休が発見され、前年5月から10人の若い女性を連続殺害していた犯人小平を逮捕(8月20日)。→48年8月死刑確定、翌年10月死刑執行。
1948
・寿産院事件。東京都新宿の産院経営の夫婦、養育費稼ぎのために貰い受けた乳幼児211人のうち、85人を栄養失調などで死なせる(1月15日)。
・帝銀事件発生。帝国銀行椎名町支店で、都衛生課員を名乗る男が消毒液と偽って強引に青酸化合物を飲ませ20万円弱を奪う。12人死亡(1月26日)。→8月21日に画家の平沢貞通を容疑者として逮鮪。平沢は公判以降、87年5月に獄中死するまで一貫して犯行を否認。
・太宰治情死。作家太宰治、玉川上水で山崎富栄と入水心中(6月13日)。
1949
・平事件。福島県いわき市で労働者、市民らが掲示板撤去に反対して平警察署を占拠。共産党員など159人起訴(6月30日)。
・下山事件。下山定則初代国鉄総裁が常磐線北千住一綾瀬間の線路上で轢断死体で発見される。自殺・他殺で意見が分かれ、未解決。国鉄の人員整理反対で労使衝突中の事件(7月5日)。
・三鷹事件。"重大事件''の予告後、車庫内の無人電車が動きだし、暴走。交番、民家など破壊で、通行人など6人死亡(7月15日)。→三鷹電車区の共産党貞の職員や元職員ら12人起訴。55年6月、検査掛に死刑確定。
・弘前大学教授夫人殺人事件。弘前大医学部教授の妻が就寝中に刺殺される(8月6日)。→22日、近くの無職男性逮捕。71年に真犯人が名乗り出て無罪に。
・松川事件。東北本線で線路破壊工作により列車が脱線転覆。機関士ら3人死亡、30人負傷(8月17日)。→国鉄労組の9人を含む20人逮捕と1、2審で5人に死刑判決がでたが、63年9月に無罪確定。
下山事件・三鷹事件など、国鉄人員整理反対闘争関係の事件が多発。
1950
・国宝金閣寺焼失。寺の徒弟の放火で国宝足利義満像など全焼。犯人は「金閣と心中するつもり」で、金閣寺裏山で服毒自殺未遂、逮捕(7月2日)。→翌3日に犯人の母親が保津川に投身自殺。
・オー・ミステーク事件。日大職員の運転手、同大会計課員の乗用車を襲って職員の給料190万円を奪う(9月22日)。→24日に愛人の日大教授の娘とともに逮捕されるまで進駐軍を自称していた犯人が、逮捕される際に言ったフレーズ、「オー・ミステーク」が流行語に。
1951
・八海事件。山口県麻郷村で老夫婦が殺害され現金1万円余強奪(1月24日)。→68年10月に容疑者4人を逮捕したが、7回目の裁判で無罪。
・築地八宝亭事件。中華料理店の一家4人が惨殺(2月22日)。→犯人は第一発見者で、新聞に事件に関する推理手記まで書いた店員山口常雄。3月10日に逮捕後、留置所内で服毒自殺。
・京大事件。同学会学生、天皇に公開質問状を提出、戦争責任追及の抗議・糾弾行動(11月12日)。→15日に同学会解散。
1952
・白鳥事件。札幌市の路上で市警の白鳥一雄警備課長が射殺される(1月21日)。
→55年8月に共産党札幌委員長・村上国治を起訴。
・富士銀行ギャング事件。仏兵と日本人の計4人、ピストルで行員を脅迫して280万円強奪(2月18日)。
・英水兵事件。神戸入港中のイギリスの巡洋艦乗組員2人がタクシー運転手から現金を強奪(6月29日)。
1954
・静岡県焼津港の漁船・第5福竜丸がマーシャル諸島ビキニ環礁で操業中に、アメリカの水爆実験により被爆(3月1日)。→3月14日に帰港後、乗組員23人全員が入院)9月23日に無線長の久保山愛吉さんが死亡。世界初の水爆による死者。
・鏡子ちゃん殺害。東京都文京区立元町小学校で、小2の細田鏡子ちゃんが授業時間中にトイレで、絞殺される(4月19日)。→5月1日、犯人の住所不定・坂巻修吉逮捕。56年10月、死刑判決確定。
・カービン銃事件。元保安隊員らが保安庁技術研究所係長を脅迫、監禁。小切手など公金2千万円を強奪(6月14日)。→7月21日、逮捕。
1955
・俳優トニー谷の長男で6歳の大谷正美ちゃん誘拐(7月15日)。→21日、犯人の雑誌編集者・宮坂忠彦を逮捕。無事保護。
・砂川基地紛争。米軍立川基地拡張のための砂川町の強制測量で、反対派と警官隊が衝突。数百人負傷(9月13日)。
1956
・延暦寺大講堂焼失。同寺事務所受付係が、素行を叱責されたことを恨んで放火。
重文の大講堂を含む5棟と、重文の木像6体など仏像14体が焼失(10月11日)。
1957
・ジラード事件。群馬県相馬ヶ原の米軍演習場で陸軍特務3等兵が、空薬きょう拾いの農婦を近くまで呼び寄せて射殺(1月30日)。→12月6日に犯人ジラード帰国。
1958
・小松川女高生殺害。高校屋上で同校生により暴行絞殺(8月17日)。→完全犯罪を狙った犯人は新聞社・警察などに電話したり、被害者宅に遺品を郵送したりと異常な行動をとった。9月1日に逮捕の犯人は、4月にも若い女性を暴行殺害していたことが判明。61年8月死刑判決確定。62年11月、死刑執行。
・ロングプリー事件。埼玉県のジョンソン米軍基地から3等航空兵が西武線の電車に発砲、基地内での演奏のバイトに行く途中の音大生が死亡(9月7日)。
1959
・スチュワーデス殺害事件。東京都杉並区でBOACスチュワーデス・武川知子さんが水死体で発見される(3月11日)。→親しかったベルギー人神父を重要参考人として捜査したが、6月11日帰国で未解決に。
・山岸会事件。養鶏講習を装い参加者を監禁、思想教育を施していた同会幹部13人逮捕(7月10日)。
・易の高島象山、刺殺される。東京の高島易断総本部で、心身症の青年が高島氏を刺殺、長男に重傷を負わせる(11月24日)。
1960
・横浜火薬工場爆発。113戸全半壊、679戸に被害、260人負傷。管理人に放火の疑い(5月7日)。
・尾崎雅樹ちゃん誘拐穀書。東京都世田谷区で6歳の鞄会社社長の長男が誘拐される(5月16日)。→19日、放置車の中で遺体発見。7月17日、犯人の歯科医・本山茂久を大阪で逮捕。67年に死刑確定。
・山谷暴動。東京山谷で労務者のけんかから始まり、住人約2000人が交番などに投石・放火。3日間で40人負傷(8月1~3日)。
・浅沼稲次郎社会党委員長刺投。日比谷公会堂での民社・自民との3党首立ち会い演説会で、演説中に17歳の元大日本愛国党員・山口二矢により刺殺される(10月12日)。
1961
・嶋中事件。天皇を風刺した深沢七郎の小説「風流夢譚」の出版元、中央公論社嶋中社長宅に侵入の17歳の右翼少年が家政婦を殺害、夫人に重傷を負わせる(2月1日)。
・名張毒ぶどう酒殺人事件。三重県名張市の公民館で、生活改善グループの総会後に農薬入りぶどう酒を飲んだ会員5人が死亡(3月28日)。→72年、犯人奥西勝に死刑確定。
・釜ケ埼暴動。大阪釜ヶ崎で、交通事故の処理に不満を持った労務者ら約2千人が派出所に投石・放火。4日間で1人死亡、690人負傷、105人検挙(8月1~4日)。
・三無事件。池田内閣の閣僚暗殺計画が事前に発覚。「無戦・無税・無失業」の三無主義に基づき、クーデターを企画していた元陸軍士官学校生、川南工業社長ら13人逮捕(12月12日)。
1962
・歌会始入選歌盗作。宮内庁、入選を取り消す(1月15日)。61年、63年にも入選歌に盗作があった。
・警視庁、全国一斉暴力取り締まり実施(10月9日)。→63年6月と2度の一斉手入れで、計2500人逮捕。
・「草加次郎」爆弾事件。東京の島倉千代子後援会事務所に爆発物を送ったことに始まる計8件の爆破・予告未遂事件。13人負傷(11月4日へ63年9月5日)。78年、時効。
・二セ千円札事件。最も精巧な偽造千円札、343枚発見。日銀が千円札の図柄を聖徳太子から伊藤博文に替える原因となった(61年12月~63年11月)。
1963
・村越吉展ちゃん誘拐殺害。東京台東区の自宅前の公園から4歳の吉展ちゃんが誘拐される(3月31日)。→4月7日、捜査陣の不手際で母親持参の身代金50万円が奪われる。65年7月、前橋刑務所で服役中の元時計商小原保が犯行を自供。自供通りに被害者の遺体発見。71年死刑執行。
・狭山女高生誘拐殺害事件。高1少女が誘拐され20万円要求の脅迫状(5月1日)。→4日、死体で発見。23日にとび職手伝いの容疑者を逮捕。無罪を主張するが2審で無期懲役判決、確定。第2次再審請求中。
1964
・駐日米国大使・ライシャワー氏襲撃。大使館裏で19歳少年、大使を刺し、全治2週間の怪我(3月24日)。翌25日、国家公安委員長引責辞任。少年は1月にも本館宿舎に放火していたが、心神喪失で不起訴。ライシャワー大使は、治療の際の輸血から血清肝炎に。
1965
・吹原産業事件。三菱銀行長原支店に預金するともちかけ、計30億円の預金証書2通を詐取していた吹原産業吹原弘宣社長を逮捕(4月23日)。
・渋谷少年ライフル魔事件。ガンマニアの18歳少年が神奈川県座間町で警官2人を死傷、東京渋谷の銃砲店で人質を取り乱射。16人負傷(7月29日)。
1966
・早稲田大学紛争。学生会館の管理運営と学費値上げの問題から、2月10~23日には学生ら本部占拠、籠城(1月18日~6月22日)。
・集団チフス事件。千葉・静岡・神奈川で64人にチフス・赤痢の人体実験をしていた。千葉大医学部の鈴木充医師、逮捕(4月7日)。
・当たり屋夫婦事件。10歳の長男を使って約60件の慰謝料・保険金詐取を行なっていた無職・中元岩夫と内妻出口初江、大阪で逮捕(9月3日)。
1967
・羽田空港爆発。金庫破りて懲役3年の青野淳、刑を逃れるために身代わり殺人を考え、自分に似た友人を搭乗させた飛行機を爆破しようとしたが失敗、トイレで時限爆弾を爆発させる(2月15日)。→24日、宮崎で逮捕。
・山陽電車事件。神戸市塩谷駅に停車直前、車内で時限爆弾が爆発、2人死亡、29人負傷。容疑者は自宅で自殺(6月18日)。
1968
・金嬉老事件。静岡県清水市で2人射殺のライフル犯、翌日から13人の人質をとり寸又峡温泉に籠城、朝鮮人差別を強調(2月20~24日)。→75年、無期懲役確定。
・連続ピストル魔事件。19歳少年永山則夫、横須賀の米軍基地で盗んだピストルで売上金強奪などの目的で、10月11日東京プリンスホテルでガードマン、14日京都八坂神社で警備員、27日函館で、11月5日名古屋でタクシー運転手をそれぞれ射殺。→69年4月7日東京で逮捕。1審で死刑判決。83年7月に最高裁、無期懲役の2審判決を破棄。90年、死刑確定。
・三億円事件。東京府中で白バイ警官を装った男が単独で日本信託銀行国分寺支店の現金輸送車ごと、3億円を奪う。「爆弾が仕掛けられている」と行員4人を下車させ、発煙筒の煙を爆発と見せかけて遠ざけた上で、東芝府中工場従業員のボーナスごと車を乗り逃げ(12月10日)。→犯人不明で75年12月、公訴時効。88年12月、民事の賠償請求権も時効。未解決。
1969
・横溝正寿ちゃん誘拐殺害。東京都渋谷区で6歳児が誘拐される(9月10日)。→翌11日、500万円要求の19歳少年逮捕。犯人は刺殺した被害者の遺体を、バッグに詰めて渋谷駅の荷物預かり所に預けていた。72年、東京地裁で死刑判決。
・プロ野球黒い霧事件。八百長試合の疑いで西鉄の永易将之選手が球界から永久追放される(11月28日)。→翌70年にも西鉄の池永正明、中日の小川健太郎など選手5人が永久追放処分に。
1970
・よど号事件。赤軍派学生9人、南富士上空で福岡行きの日航B727よど号をハイジャック(3月31日)。→4月3日、山村運輸政務次官を身代わりに乗客ら解放、福岡経由で北朝鮮へ亡命。5日、よど号は羽田に帰還。85年、犯人の一人柴田泰弘が帰国、89年に逮捕され、有罪判決。94年、刑期を終えて出所。
・スモン病は整腸剤キノホルムの薬害と新潟大教授発表(9月5日)。このほか、光化学スモッグや田子の浦のヘドロ公害など、大型公害問題数件が起こる。
・三島事件。作家・三島由紀夫、本人主宰の楯の会会員4人と東京市谷の陸上自衛隊東部方面総監部に乱入・占拠、総監を監禁。憲法改正のクーデターを呼びかけるが失敗、割腹自殺。会員1人も自殺(11月25日)。
1971
・大久保清連続誘拐殺人。刑務所を出所したばかりの犯人が、新車でドライブに誘った8人の若い女性を暴行殺害、死体を妙義・榛名山麓などに遺棄(3月31日~5月14日)。→73年2月、前橋地裁で大久保に死刑確定。76年1月死刑執行。
・土田国保警視庁警務部長宅爆弾事件。東京都豊島区の自宅に配達された小包爆弾で夫人が死亡、子息が重軽傷(12月18日)。→このほか8月7日に警視総監公舎に時限爆弾が仕掛けられるなど、同様の爆弾事件が相次いだ。
1972
・あさま山荘事件。山岳アジトを追われた連合赤軍の幹部ら5人、軽井沢の別荘で人質をとり10日間篭城。2月28日、警察の強攻策で犯人逮捕、人質救出。8時間にわたる攻防で警官2人、市民1人死亡、カメラマンなど重軽傷者16人。人質が解放されるまでの時間は戦後最長(2月19~28日)。
・外務省機密漏洩事件。外務省外務審議官室事務官が、沖縄返還交渉に関する極秘電信文を入手、毎日新聞政治部記者に横流ししていた事件を、社会党議員が暴露(3月27日)。→4月4日、女性事務官と記者逮捕。知る権利と報道の自由が問題の争点となった。
・日本人パレスチナゲリラの京大生ら3人がテルアビブ空港を襲撃。自動小銃乱射で死者26人。犯人のうち2人は死亡、生き残った鹿児島大生・岡本公三を逮捕(5月30日)。
1973
・赤ちゃん取り違え事件。東北大医学部教授、57年から71年にかけての産院のミスによる64件の赤ちゃん取り違えの事例を熊本学会で発表(3月29日)。
・赤ちゃん斡旋事件。宮城県石巻市の産婦人科医・菊田昇医師が約100人の新生児を、希望する夫婦に善意で斡旋していた事実が判明(4月20日)。→87年1月、実子特例法が事実上確立。
・日航機ハイジャック。日本人丸岡修を含むパレスチナゲリラ5人、アムステルダム空港離陸直後のB747をハイジャック。リビアのベンガジ空港で人質解放後、機体爆破で主犯容疑者のアラブ人女性死亡、4人逮捕(7月20、24日)。
・金大中事件。東京のホテルで韓国人5人が金大中前大統領候補を拉致、韓国に連行(8月8日)。
・立大助教授殺人、一家心中。静岡県石廊崎で立教大学教育学部の大場啓仁助教授の一家4人が飛び込み心中。原因として、助教授による同大学院女子学生殺害、死体遺棄が浮上(9月6日)。
・内ゲバ殺人。神奈川大学で革マル派と反帝学評が乱闘、革マル派の2人死亡(9月15日)。
→15~17日には東京で中核派と革マル派が乱闘、58人重軽傷。内ゲバが深刻化。
・滋賀銀行9億円横領。山科支店の預金係奥村彰子が、68年1月から偽造伝票で1366回にわたり公金を持ち出していたことが判明。貢がせた愛人の元タクシー運転手・山県元次は競艇に7億円を注ぎ込んでいた(9月25日)。
1974
・ピアノ殺人。神奈川県平塚市の県営団地で4階に住む工員・大浜松三が「ピアノの音がうるさい」と階下の母子3人を刺殺(8月28日)。→77年4月、死刑確定。
・三菱重工ビル爆破。東京丸の内の本社ビル入り口付近で時限爆弾が爆発、死者8人。東アジア「反日武装戦線・狼」の犯行声明(8月30日)。→10月14日、三井物産西新橋物産館でも同様の事件。「大地の芽」、「さそりグループ」が加わり、75年5月までに計16件の企業爆破事件。87年3月、2人に死刑確定。
・別府三億円保険金殺人。8月に結婚した妻と子供2人に三億円の保険金をかけた荒木虎美、乗用車事故を装って岸壁から転落、妻子を死なせる(11月17日)。→80年3月、大分地裁で死刑判決89年1月、上告中に病死。
1975
・東京の日本化学工業亀戸工場跡地で六価クロムによる汚染が問題化被害者102人(7月16日)。
・足利銀行2億円横領事件。偽造預金証書をつかって2年間に2億1000万円を引き出し、東京の会社社長に貢いでいた足利銀行栃木支店の女子貸付係員を逮捕(7月20日)。
1976
・北海道庁爆破。ロビーで時限爆弾が爆発、職員2人死亡(3月2日)。→8月10日、東アジア反日武装戦線メンバーの元岐阜大生・大森防久を逮捕。94年7月、死刑確定。
・ポルノ映画俳優・前野光保、児玉誉土夫宅に軽飛行機で突入。ロッキード事件に憤って、児玉の道連れを狙っての犯行。操縦の本人のみ死亡(3月23日)。
・歌手・克美茂が結婚話のもつれから愛人を殺害(5月6日)。→8日、羽田空港駐車場で乗用車のトランクから元ホステスの死体発見、逮捕。
・にせ電話事件。鬼頭史郎京都地裁判事補が布施検事総長の名をかたり、ロッキード事件に関して三木首相に指揮権発動を促すにせ電話をかける(8月4日)。→77年3月判事補は罷免。89年7月、昭和天皇逝去に伴う特赦で法曹資格回復。
・ミグ25亡命事件。ソ連の最新鋭戦闘機が函館空港に強行着陸。搭乗のピタトル・ベレンコ空軍中尉は米国亡命を希望(9月6日)。→9日出国。同19日、防衛庁と米軍が共同で機体を解体調査。11月、ソ連側に機体引き渡し。
1977
・青酸コーラ事件。東京都港区の電話ボックスで拾ったコーラを飲んだ高校生と無職男性が死亡(1月4日)。→2月13日には大阪府で同未遂事件。
・慶応大学商学部の入試問題漏洩が判明(5月24日)。→7月13日、関係の後藤照彦・本郷広太郎両教授を解任。
・有田市で集団コレラ発生。患者64人、うち1人死亡(6月15日)。
・芸能界大麻・覚醒剤汚染。フォーク歌手井上陽水、マリファナパーティー主宰で逮捕(9月10日)。
→歌手研ナオコ、美川憲一、にしきのあきら、内藤やす子らも大麻法違反で検挙。覚醒剤取締法違反では俳優岩城滉一らが逮捕。
・日航機ハイジャック。丸岡修ら日本赤軍の5人、ボンベイ空港離陸直後のDC8をハイジャック。政府、釈放要求と身代金の条件を受諾(9月28~30日)。
1978
・警察官、女子大生を殺書。東京北沢署の松山純弘巡査、巡回を装い清泉女子大4年生・長谷川優子さんに乱暴、絞殺(1月10日)。→83年、国家賠償法に基づく賠償金4360万円で東京都と遺族が合意。このほか、警察官不祥事件相次ぐ。
・上野で集団コレラ発生,患者49人(11月6日)。
・全国サラ金問題対策協議会結成(11月25日)。→63年頃から出現したサラ金関連で、1~8月に130人が自殺、1502人が失踪するなど、サラ金が社会問題化したため。
・俳優・田宮二郎、東京で猟銃自殺(12月28日)。
1979
・三菱銀行猟銃事件。猟銃男、大阪北畠支店で5千万円を要求、行員・客40人を人質に取り篭城。行員・警官4人射殺(1月26日)。→28日、犯人射殺。人質救出。
・神野寺トラ騒動。千葉県君津市の寺で飼育中のトラ3頭が脱走(8月2日)。1頭は戻り、2頭は延べ7400人を動員して4日と28日にそれぞれ射殺(8月2~28日)。
1980
・連続女性誘拐殺人。元贈答品販売業の宮崎知子、富山県の女子高生を誘拐、殺害(2月23日)。→3月5日、長野信用金庫女子職員を誘拐、身代金3000万円を要求し殺害。30日、犯人逮捕。88年2月、死刑判決。
・花柳寿輔傷害。前衛舞踊家の花柳幻舟が家元制度に反対して、東京国立劇場で日本舞踊の花柳流三代家元・花柳寿輔の顔に切りつける(2月21日)。
・銀座・昭和通りでトラック運転手大貫久男さん、1億円を拾う(4月25日)。→11月9日、時効で拾得者の所有に。
・新宿バス放火。土木作業員、新宿駅西口ターミナルに停車中のバスに、降車口から火のついた新聞を投げ込み、ガソリンを撒く。死者6人(8月19日)。
・富士見病院乱療事件。埼玉県所沢市の産婦人科病院理事長・北野早苗と妻の院長の千賀子が医師法違反などで逮捕、告訴。不必要な臓器摘出手術など、でたらめ無資格診療で被害者900人(78年2月へ80年9月11日)。→9月19日、北野からの収賄発覚で斎藤邦吉厚生相辞任。理事長、院長は1.2審とも有罪。
・金属バット殺人。川崎市で2浪中の大学受験生、両親を野球の金属バットで殴って殺害(11月29日)。
・女子大生誘拐殺人。元寿司店主・木村修治、名古屋市で大学3年生・戸谷早百合さんを家庭教師の新聞広告で誘い出し、3千万円要求(12月2へ20日)。→81年1月20日、犯人逮捕。5月5日、木曽川で被害者の遺体発見。87年、死刑確定。
1981
・早大商学部成績簿改竄事件。長年にわたる不正入学と、謝礼をとって不正入学者の成績簿を改竄していた事実が発覚(3月28日)。→30日、教授・事務職員ら9人逮捕。
・江東区通り魔事件。覚醒剤常用の寿司職人・川俣軍司、通行人4人を殺害、人質をとり籠城して抵抗(6月17日)。
・三和銀行オンライン詐取。大阪・茨木支店の女子預金係が端末機を操作して架空口座に1億8000万円を入金,直後に1億3000万円を引き出して、愛人の旅行代理店経営・南敏之に渡してマニラに逃亡していたことが判明。本人はマニラで、愛人は大阪で逮捕(9月5日)。
1982
・IBM産業スパイ事件。FBIが日立製作所、三菱電機の社員ら9人を産業スパイ容疑で逮捕(6月22日)。
・ニセ5千円札事件。大分市営不燃物投棄場で大量の偽造5千円札発見(9月6日)。→13日までに犯人3人逮捕。
1983
・戸塚ヨットスクール事件。79年以降情緒障害児を対象としたスパルタ教育で3人死亡、2人行方不明。戸塚宏校長とコーチ2人が障害致死で逮捕(6月13日)。→92年7月、名古屋地裁で校長に懲役3年・執行猶予3年の判決。
1984
・グリコ・森永事件。江崎グリコ社長が自宅で誘拐されるが、自力脱出。''かい人21面相''を名乗る犯人は森永製菓などの食品企業も脅迫、青酸混入菓子をばらまく(3月18日~8月12日)。→犯人不明。94年6月2日、最後の主要事件・寝屋川事件が時効。
・元警官連続殺人 元西陣署巡査部長広田雅春、奪ったピストルを用い京都市で巡査、大阪市でサラ金店員を殺害(9月4日)。→翌5日、千葉で逮捕。88年10月、死刑判決。
1985
・山口組最高幹部襲撃。同組から分裂した一和会系組員の銃撃で、四代目竹中正久組長を含む3人死亡(1月26日)。→両派間の抗争激化で87年7月までに317件、25人が死亡。
・自販機毒入りドリンク事件。広島県福山市で自動販売機上に置いてあった炭酸水を飲んだトラック運転手が死亡したほか、京都府・和歌山県など西日本で死者7人(4月30日~10月)。
・豊田商事会長刺殺。金の現物取引に似せた商法で、81年4月から老人など3万人から2千億円を集め、社会問題を引き起こしていた永野一男会長が、白昼の自宅マンションで鉄工所経営者ら2人に、報道関係者の眼前で刺殺される(6月18日)。
・ロス疑惑。保険金殺人容疑の青年実業家逮捕(9月11日)。→週刊文春84年1月19日号開始の連載『疑惑の銃弾』により広く注目された。容疑者三浦和義、名誉棄損で多くのマスメディアを告訴し、一貫して容疑を否認するが、94年6月東京高裁は控訴棄却で懲役6年。
1986
・三井物産マニラ支店長誘拐。若王子信行支店長、マニラ市郊外で誘拐。身代金支払い後、無事保護(11月15日~87年3月31日)。
・3億3000万円強奪。三菱銀行有楽町支店前でフランス人3人が日通の現金輸送車を襲う(11月25日)。
1987
・フライデー乱入事件。写真週刊誌フライデーの取材・記事に怒ったタレント・ビートたけしと弟子11人が発行元の講談社・同誌編集部に乱入。傷害でたけし起訴(1月19日)。
・朝日新聞記者射殺事件。夜8時すぎ、西宮市の阪神支局が襲撃され、小尻和博記者が散弾銃で撃たれて死亡、同僚の犬飼兵衛記者も重傷。犯人は目出し帽をかぶった一人(5月3日)。
1988
・幼女連続誘拐殺人。東京都五日市町の印刷業手伝いの男が幼女4人を誘拐、殺害。遺体を切断・焼却、ビデオに写したり、遺骨を被害者宅に届け女性名で犯行声明を出すなど、異常性が目立った。自室から5700本のビデオ押収。犯人は残酷ビデオやロリコンビデオの愛好者だった(8月22日~89年8月10日)。