1959(昭和34)年に始まった(おかあさんといっしょ)は、子どもたちと一緒に成長してきた。当初、人形劇、歌、体操などが独立した番組として放送されていたが、1976(昭和51)年に(おかあさんといっしょ)として統合された。ここでは人気コーナーを中心に振り返る。
●人形劇コーナー
初代 ブーフーウー
1960(昭和35)年9月~1967(昭和42)年3月
おねえさんが箱から人形を出し、ハンドルを回してボタンを押すと、人形が動き出して番組が始まった。絵本『三匹のこぶた』を基に作られ、メキシコを舞台に、ブツブツやの長兄・ブー、くたびれやの次兄・フー、がんばりやの末っ子・ウーが意地悪オオカミに立ち向かう物語。人形が再び箱にしまわれて番組が終わるが、動きを止めると手のひらにのる小さな人形と、動いている時(着ぐるみ)のリアルな動きとのギャップに、多くの子どもが「なぜ?」と悩んだ。このアイデアは、作家の飯沢匡によるものだという。
2代 ダットくん
1967年(昭和42)年4月~1969(昭和44)年9月
妹でしっかり者のピョン子ちゃん、メガネをかけて利口そうだけどドジなダットくん、優しいおじいさんとおばあさん、いたずらばかりしている黒ウサギのゴンタくんたちのお話。
3代 とんちんこぼうず
1969(昭和44)年10月~1971(昭和46)年3月
いたずら小坊主3人組と頑固な和尚さんによる、楽しい昔話。写真左から利口者のとんねんぽう、弱虫・怠け者でハの字まゆ毛のちんねんぽう、乱暴者の太ったかんねんぽうと、いつも3人をしかっている和尚さん。
4代 とんでけブッチー
1971年(昭和46)年4月~1974(昭和49)年3月
ぬいぐるみが部屋から飛び出して、壁にかかった絵の中の世界を気球で旅する物語。(写真右から)ペンギンのペンチー、犬のプッチー、フトッチー。ブーフーウーもアニメでゲスト出演した。
5代 うごけぼくのえ
1974(昭和49)年4月~1976年(昭和51)年3月
子どもたちから送られてきた絵が舞台になった。写真右からちゃっかりポリ、しっかりコリ、うっかりカリ、悪役フクロウのアウル博士。
6代 ゴロンタ劇場
1977年(昭和52)年4月~1979年(昭和54)年3月
等身大の人形で子どもと触れ合えるようにしたのが、「ゴロンタ・トムトム・チャムチャムと遊ぶ」(写真)で、それが'77年に人形劇「ゴロンタ劇場」に発展した。(写真右より)乱暴だけど実は寂しがりやなトラのゴロンタ、クマの兄弟チャムチャムとトムトム。
7代 ブンブンたいむ
1979年(昭和54)年4月~1982(昭和57)年3月
写真左から、ずる賢いキツネのつね吉、レッサーパンダのプンプン、ドジでいつも騒動を起こす、不思譲な生き物"おしらせどり"のごじゃえもん。
8代 にこにこ、ぷん
1982年(昭和57)年4月~1992年(平成4)年9月
通称「にこぶん」。ブーフーウーと並ぶ人気作で10年間続いた。にこにこ島に、ネズミ海賊”ねこいらず・カジリアッチ”'の子孫・ぽろり(右写真中央)が漂着し、うらおもて山ねこ・じゃじゃまる(同左)とふんボルトペンギン・びっころ(同右)と仲良くなる。ぽろりは祖先の宝探し、じゃじゃまる、びっころは夢の島に行くことを目指す。場面展開で「あらあら~おやおや~」と歌うはなばなガールズも隠れた人気キャラ。
●体操のコーナー
元気にいちに(幼児体操)
1961(昭和36)年~1969(昭和44)年
初代・体操のおにいさんは砂川啓介。毎朝、日本中の子どもたちがこの体操でゴロゴロしていた。
ジャンポンポン
1969(昭和44)年~1974(昭和49)年
主に3歳児向けに考案された体操。「ケレケレケレ」「ロコリロコリ」といった変わった歌詞が人気。
ハイ・ポーズ
1981(昭和56)年~1994(平成6)年
初めてのおねえさん(馮智英)によるヨガ風のゆったりとした体操。ゾウやネコなどポーズは20種類。
●おはなしのコーナー
おはなしこんにちは
1967(昭和42)年~1976(昭和51)年
影絵を背景に、民話や昔話を聞かせた。
朝太ショー/志ん輔ショー
1984(昭和59)年~1999(平成11)年
15年の長きにわたった、落語家・古今亭志ん輔のコーナー。1985(昭和60)年に某打ち昇進・改名したため「志ん輔ショー」に変わった。相棒はしっかり者のヘビくんとマヌケなブタくん。
●うたのコーナー
うたの絵本
1961(昭和36)年~1975(昭和50)年
1961年4月に登場。これが現在のうたのコーナーに進化した。
らっぽんぽん
1967(昭和42)年~1971(昭和46)年
外国の物語を人形を使って、歌とともに楽しく見せる。写真は初代うたのおねえさん・眞理ヨシコ。
●ゆうぎなどのコーナー
なんにもないくに
1964(昭和39)年~1967(昭和42)年
子どもたちに自由に願望を表現させ、それを実現するための発想を促す、活力を身につけるためのドラマ。
きみだあれ
1967(昭和42)年~1969(昭和44)年
はさみやスプーン、コップなど生活用品が登場する劇。
これは○○です
1969(昭和44)年~1971年(昭和46)
身の回りの物や出来事をパフォーマンスで表現。後に「これなあに」とコーナー名が変わった。